専門看護師は認定看護師よりも、より厳しい条件での資格になっています。認定看護師が日本看護協会の認定のみで取得できたのに対し、専門看護師は日本看護系大学協議会と連携し運営されており、教育課程の特定、教育課程の認定・認定更新を行っています。日本看護師会では、専門看護分野の特定、認定審査・認定更新審査等を行っています。また、大学院卒業の資格も必要となってきます。
定義もより厳しく、「複雑で解決困難な看護問題を持つ個人、家族及び集団に対して水準の高い看護ケアを効率よく提供するための、特定の専門看護分野の知識・技術を深めた専門看護師を社会に送り出すことにより、保健医療福祉の発展に貢献し併せて看護学の向上をはかることを目的」としています。

【役割】
以下の6つの役割を専門分野で果たします。
1)実践ー患者集団に対する卓越した専門介護の実施
2)相談ーケア提供者に対するコンサルテーションの実施
3)調整ーケアの潤滑な運営のため、保健医療福祉に携わる人々の調整の実施
4)倫理調整ー患者個人や家族を含む集団の為、倫理的な問題や葛藤の調整の実施
5)教育ー介護士に対する、ケア向上のための教育の実施
6)研究ー専門知識・技術の向上・開発のための実践の場での研究の実施

【専門看護分野】
専門分野とは制度委員会が独立した分野として深み・広がりがあると認定した分野で2012年7月現在現在11分野があります。
1)がん看護
2)精神看護
3)地域看護
4)老人看護
5)小児看護
6)母性看護
7)慢性疾患看護
8)急性・重症患者看護
9)感染症看護
10)家族支援
11)在宅看護

【分野特定条件】
1)既に看護専門分野教育課程が現存し大学院等で実施されているもの、かつ日本看護系大学協議会またはそれと同等以上の組織が提言している分野
2)「専門看護分野の教育を修了し、専門看護師の受験資格を満たしている者が現時点で3名以上、臨床専門分野(地域を含む)で実践していること。」

【専門看護師になるには】
専門看護師になるには、以下の手順が必要となってきます。
1)日本国看護師免許を持つこと
2)看護系大学院修士課程修了者で日本看護系大学協議会が定める専門看護師教育課程基準の所定の単位(総計26単位または38単位)を取得していること、並びに実務研修が通算5年以上あり、うち3年間以上は専門看護分野の実務研修であること
3)認定審査(書類審査・筆記試験)
4)専門看護師認定証交付・登録
5)5年ごとに更新(看護実践の実績、研修実績、研究業績等書類審査)

以上のように大変厳しい条件をクリアしたものだけが専門看護師となることができ、患者及びその家族、集団、また看護者に対する様々なアプローチをすることができるようになっています。